logbog 旅するように生きる

1993年生まれ。高校生で摂食障害発症。今も自分の心地よい生き方を模索しながら小規模多機能居宅介護施設で作業療法士してます。

なりゆきで座禅。今を生きながらこれからを考える。

おととい、職場の同僚がプライベートで参加しているミュージカルを観るために鎌倉へ。
同じく職場の同僚2人とランチを食べてからミュージカルに行こうと10:30頃に鎌倉に待ち合わせ予定だった。

せっかくなら私は朝から行って行きたかったお店でモーニングを食べようと前日にひらめいた。
そんなことを一緒に行く同僚の1人に話すとなんと同じ事を考えていて、行ってみたいモーニングの店も一緒だった。
しかもその同僚は円覚寺で暁天座禅をしてから朝ごはんに行くと言っていて私もそれに惹かれ一緒に行くことになった。

行くまでの道のり円覚寺には6:00少し前に待ち合わせ。私の家は駅から歩いて45分と駅から近い距離とは言えない。
行くと言ったは良いもののバスで駅まで出たとしても逆算すると5時には家をでなければ行けない。
そんな時間にバスはあるのかなと調べると案の定そんな時間にバスはなく自転車で駅まで向かうことにした。
空はまだ星がきれいに光っているのが見えて夜だか朝だかよくわからない誰もいない道をひたすらこぐ。
けど寒さで手がかじかみ痛いし、これからする座禅よりもしんどい気がした。

暁天座禅

街灯もなく真っ暗の円覚寺に20人前後の人が集まっていた。仏殿に手を合わせお辞儀をして中に入る。
仏殿に入るだけで外とは違う空気が流れている気がして普段より心が静かになったような気がした。
暖房もなく寒くてろうそくの明かりの中で自分の分の座布団を取り靴下を脱ぎ座る。
初めての私には「禅ーいまを生きるー」という座禅の仕方などが書かれたものが渡され、座り方を教えてもらう。

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禅―いまを生きる―
すぐにスキニーパンツで来たことに後悔した。
約1時間の間に約20分の座禅を2サイクルしそのあとお経を唱和した。
座禅は身体(調身)・呼吸(調息)・心(調心)の3つの事を調える事が必要らしい。
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座禅で必要な事
1呼吸する度に心の中で1から10まで数えまた1に戻る「数息観」というものをお坊さんに教えてもらい実践してみた。
無音の中でこれをするのはなかなか難しく、隣の人のおなかの鳴る音が気になってしまったり、足がしびれてきたのを感じたり
今日のこの後の予定などを考えてしまったり、正直集中していたかというと集中できずまだまだ修行が必要だと感じた(笑)
けれど、毎朝仕事の日は起きてバタバタと朝の支度をし出かける私にとって1日の始まりに自分の体の調子と向き合ったりその日の流れをイメージする時間はとても心地よかった。真っ暗だった空は座禅が終わるころにはすっかり明けていた。
冷え性の私は足先が真っ青になっていてびっくりした。

朝ごはん

座禅を終え同僚と念願の朝ごはんを食べに稲村ケ崎の「ヨリドコロ」という店へ。

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ヨリドコロ
普段私は歩くのが好きで1時間は普通に歩いてしまうのでその乗りで同僚に鎌倉駅から歩いて稲村ケ崎に行くことを提案。
長谷についたころ、同僚に後どのくらい歩くのか尋ねられ20分くらいと答えると同僚には長く感じたらしく江ノ電に乗り稲村ケ崎へ。
こんな風にプライベートで同僚と出かけると普段知らないおたがいの価値観や当たり前が知れて面白い。
念願のお店につくとなんと待ち時間1時間。それでも急いでないので待つことにした。
待っている間、同僚はスマホでネット配信のドラマを見ていた。私は大好きな樹木希林さんの「一切なりゆき」という本を読んでいた。
おたがい好きなことをしながら1時間待つ。江ノ電がたまに通ったり朝日に当りながらの読書はとても気持ち良かった。
ついにお店に入ることが出来、卵つきのアジの味醂干し焼き定食を注文。
初めに卵が出てきた。
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白身メレンゲを作る卵かけごはん
普通の卵かけごはんと違いここでは黄身と白身を分け白身メレンゲのように泡立てるのが名物らしい。
ひたすらに同僚と泡立てる、定食が来てもなかなかメレンゲ状にならずお預け状態でひたすら泡立てる。
座禅よりよっぽど無心になって泡立てていた。(笑)
4:00に起き朝食にありつけたのは10:00。普段はシリアルとかパンでパパッと済ませてしまう朝食。
とても道のりの長い朝食でおいしさも倍増だった。
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江ノ電を眺めながら最高の朝ごはん

ミュージカル前に。

メインの目的、同僚のミュージカル。
その前にもう1人の同僚と待ち合わせランチをすることになっていた。
ただ朝ごはんを10:00に食べ10:30過ぎに待ち合わせ。
当然、お腹はすいていない。小町通りをぶらぶらしながら合流した同僚に正直に朝からの流れを話す。
合流した同僚は鎌倉に来るのは20年ぶりらしくとても楽しそうで
「全然いいわよ」「ただ私は食べるわ」とランチ場所を探す。
もみじ茶屋という場所に決まりメニューを見ていると食べられるような気がしてきて1時間ほど前に朝ごはんを食べたのに
結局全員でひつまぶしを注文。ぺろりと平らげた。
後から合流した同僚も早めに鎌倉に来てぶらぶらしていたらしくその時に見た
杏仁ソフトクリームが食べたいとはち切れそうなお腹だけど探しに行くことに。
仕事の日1日1食のような私の胃はきっとびっくりしていたと思う。同僚も普段食べない私が二食とも完食したことに驚いていた。
なかなか見つからないソフトクリームを探しながら話は色んな内容に飛ぶ。(笑)
私は25歳、同僚2人は30代後半と60代と年齢はバラバラだけど各々したいことや思っている事を対等に話せたり
冗談を言い合える関係はとてもありがたい。
本当に人に恵まれた職場に今いると思う。
杏仁ソフトもたいらげメインイベントを見るために大船の鎌倉芸術館へ移動。

ミュージカル

今回見に行ったミュージカルは職場とは関係ない神奈川県で主に拠点を持つ社会福祉法人が行っているプロジェクトの一環で
今回は「人生100年時代の福祉のあり方」をテーマにある家族の介護をミュージカルを通して発信していた。
www.shinkoufukushikai.com

ミュージカルの話は作られたものだから現実より思い通りに行くことが多いかもしれないけれど
改めて「私たち介護職が出来る事って何だろう」とか「家族にできる事ってなんだろう」とかその人それぞれの「幸せ」について考えるきっかけをもらった。ミュージカルにはその社会福祉法人の施設を利用している利用者さんや地域の学生、地域に住む人が老若男女問わず参加していてその人たちが一つ作品を作り上げている一体感やエネルギーを感じた。仕事の後レッスンに向かっていた同僚。本当に尊敬するし何かに向かって一生懸命な姿はかっこいいと思った。

ミュージカルの中で日常はいつもなんとなく過ぎつらいことや大変なこともあるけど楽しいこともあり暮らしていると。
でも病気や事故など何かあったときその日常が崩れてそこで初めて社会の問題が自分事になる。
というような場面・内容が出てくる。まさに、そうであってはいけないおと思いつつも自分事に降りかからないとわからないこともある。
私も拒食症になるまで学校に行けることが当たり前だと思っていたしそうでない自分の人生は考えてもみなかった。
でも事前に色んな人生をイメージしたり、自分や周りの人の事を知ることは何かアクシデントがあった時、悩んだ時、選択をする時
大きな財産になると思った。人生に正解なんてないからこそ色んな場面で悩む。何か決断した後もほんとにこれでよかったのかと悩む。

座禅から始まり今の自分を見つめ同僚のことを知って新たな価値観に触れたり、ミュージカルや樹木希林さんの本を通して
自分はどんなふうに生きたいかとか色々と生きていくことについて考える1日になった。