logbog 旅するように生きる

1993年生まれ。高校生で摂食障害発症。今も自分の心地よい生き方を模索しながら小規模多機能居宅介護施設で作業療法士してます。

青春18きっぷの旅。安曇野 穂高。

3月は父が仕事中に意識消失して倒れたり、祖母が危篤状態となったり、そのストレスから母が体調不良と出来事が色々と重なった。そうなると実家から呼ばれ私が家事をしたり喧嘩や嫌味ばかりを言い合う両親の間に入って会話をする事になりエネルギーをだいぶ吸われる。

 

そして人混みの都内に出ることも多かったり職場のママさんが春休みの子供を連れて出勤してきていたり楽しいことでもあるんだけれど私にとってはいつもより刺激が多く、いつもは大好きな職場のばーちゃん、じーちゃんの声も避けたくなる程だった。

 

毎年この春の季節は新しい別れや出会いなど環境の変化に心がざわつくので、4月の頭は連休を取り青春18切符の旅に出ようと思っていた。けれど家族のことがあったので諦めていた。でもさすがに自分の体調に支障がきたし睡眠不足が続き仕事も自己防衛を張り、スタッフにも雑な態度しか取れなくなっていて余計に自己嫌悪に陥り負のループにはまってしまったので、いったん離れたい思いが強くなり急遽、行く2日前に行き先を決め写真の雰囲気とカナダ好きの夫婦がオーナーということだけに惹かれ行き先とペンションを予約した。

安曇野 穂高

今回の行先は穂高駅周辺。朝5:30頃に辻堂駅を出発

茅ヶ崎駅から橋本、八王子、高尾、甲府、松本、と乗り継ぎ穂高へ。

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穂高駅到着


穂高駅に到着するとお兄さんがレンタサイクルの案内をしていたので自転車を借りることにした。

レンタサイクルのお兄さんに「どこ行くの?」と聞かれ私は泊まる場所だけ決めていてあとは「良い景色見て、おいしいもの食べて温泉は入れればいいかなあ」と話すと、ノープランでここまで来たことに驚かれた。そして女子1人なことにも驚かれた。

「ほんとに人いないから。道迷ったりなんかあったら電話して。リュックもペンションに届けてあげようか?」とめちゃくちゃ優しいお兄さんだった。

www.shinano-an.com

お兄さんに穂高温泉郷を勧められ宿の近くだったのでひとまず温泉郷までサイクリングをすることにした。普段から毎日のように12キロほど自転車をこいでるので自転車移動に不安はなかったけれど、意地を張らずお兄さんの言う通り電動自転車を借りていてよかった。風が強いうえに上り坂。でもほんとに人がいなくて山を目の前に最高な景色を独り占め出来た。

穂高温泉郷

観光客もまばらでとても心地好い場所だった。

北アルプス牧場や安曇野アートヒルミュージアム、カフェを巡り、途中自転車おいてちょっと外れた山道を登ってみたり自分の気になるものを見つける度に寄り道をし思うがままに温泉郷をうろうろした。 

足湯とともに日暮れ

ペンション近くの八面大王足湯で日暮れをただただ眺める。

私にとっては最高に贅沢な時間。足湯のすぐ目の前にあったしゃくなげの湯で温泉に入り時間も気にせずゆっくり身体を暖めた。

ペンションメープルリーフ

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宿泊したペンションメープルリーフ

オーナーのおじさんは私の地元湘南出身で奥さんと息子さんで経営していた。

私の地元の話や仕事の話を聞いてくれたりリビングで読書してるとワインを出してくれたりなんだか親戚のおじちゃんおばちゃんの家にきたみたいだった。

一緒に泊まっていた小学生連れの家族はこのペンションの常連らしくかれこれ10年近く通っているそう。

その家族のお父さんは私の大好きな奈良で神社の神主さんをしているそうで沢山話をしてくれた。そしてなんと私の大好きな映画「あん」の監督 川瀨直美さんがその神社の映像を撮っていたりその家族は川瀨直美さんとごはんに行くほどの仲だそうで川瀨さんの映画が大好きな私は一気にテンションが上がりお互いであんの大好きなシーンなどを話して意気投合した。 

スープカレーハンジロー

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ペンションの朝ごはん

次の日、その家族とペンションでまったり朝ごはんを食べ、成り行きでお昼も一緒に食べることになった。

大人気で行列ができるスープカレー屋さん ハンジローに「先に並んどいてあげるよ」と先回りしてくれた一家のお陰で混む前にカレーにありつけた。

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スープカレーハンジロー

ほんとに、素敵な人に毎回出会える私の旅運の良さには感動する。

連絡先も交換しこれから私はますます奈良に行くことが増えそうだ笑

家族とお別れし、碌山美術館穂高神社、大王わさび農園を巡り穂高を出発。 

旅のしめくくり

そのまま帰ろうかと思ったけれど前回の青春18きっぷの旅で忘れられない立石公園からの諏訪湖を見たくて上諏訪で途中下車。駅から30分ほど歩いて立石公園に向かう。

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かたわれ時の立石公園

3時間くらい立石公園でひたすらぼーっと過ごし日暮を眺める。ベンチでゴロゴロしながら空を見たり読書したり。

最後は片倉館で貸切状態で温泉に入り最高な旅のしめくくりになった。

 

私にとっての旅。 

私にとって、刺激が多かった3月。家族と久々に長い時間関わったり、職場で新しい取り組みが行われたりいろいろなことがあって毎日を振り返る時間がほしかったけどなかなか取れず目まぐるしく毎日が過ぎていった。

 

私は新しい経験などをした後にその刺激や情報を1人で振り返る事が好きで、その中でその経験が過去の体験と繋がっていたり、繋がっていなくても未来で繋がったりするのが面白い。私の心の中に世界や自分自身についての大きな心の地図があるかのようで繋がる度、意味のない事なんて1つもないんだと感じる。私は自分の世界観や価値観を揺さぶられるような体験をする度、そんな心の地図の色んな箇所が頭に浮かんで繋がり心や頭が満杯になる。そういう時私は1人で過ごし自分と会話し満杯の情報を言語化して外に出す必要がある。

月1旅をしているとストレスたまってるねとか友人たちが時々私を心配してくる。でも私は単に時々1人で景色を眺めたり自然の中でゆっくり過ごしたり、ボーっと散歩したいだけ。そうすると自分自身や私の周りのことについて理解を深められ日々、言語化できなかった違和感がすとんと腑に落ちる。

 

今回の旅も何をしたと言えばいい景色を目の前に散歩やサイクリングをしながらぼーっとしただけ。その中で適度に人とかかわり人の優しさや価値観に触れた。

その中で仕事で違和感を感じていたことを言語化出来たり、避けていたおばあちゃんへの思いに気づけたりたくさん自分と会話した。満たされた。

これからもこんな時間を大事にしていきたい。

これだから旅には中毒性がある。